ポジティブよりもネガティブのほうが話題になる件の考察と解答

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時系列的なストーリーを好む

ネガティブな情報が話題になるのは、人の想像力が原因という話をしてきました。パターン化、発想の飛躍ときて、いよいよ最後です。

3つめの心理の偏りは、前後に起こった出来事には関係があるという思い込みです。

ストーリーが人を動かす

「プログラミングで月30万円稼げた!」を真に受けた男性の図

例えば、非行に走った少年は1日10時間ゲームをしていた、億万長者になったサラリーマンはFXを始めていた、スキャンダルが報道された翌日に有名人が失踪した。

ゲーム→非行、FX→お金持ち、スキャンダル→失踪。

一見すると関連しそうで、まったく因果関係のない情報でも「きっとそうだ!」「そうと思った…」「やっぱりね」と解釈しがちです。

特に、たくみな話術で人は納得してしまいます。感情をゆさぶるストーリーがふんだんであればあるほど。

1%の努力が会社を成長させた-年商100億円の道のり-

ビジネス書はストーリーのお手本と言えます。成功した会社役員の言葉を載せるだけで、私たちは夢でも見ているような気持ちになるからです。

例えば「創業3年のわが社が年商10億円をたたき出した理由は、社員と家族のような関係にあったからです(ABC社CEO)」という文章はよく聞きますよね?ちょっと納得しそうになりますが実際には、社員との良好な関係→年商100億円は原因→結果の関係ではないはずです。

確かに人間関係が良い組織というのは理想的でしょう。自分が良き上司や部下にめぐまれていないと感じるなら、なおさらそんな気もします。

しかし、賢明な方ならお気づきのはず。人間関係→売上向上の間には決定的な因果関係がないことを。

なら会社の売り上げがアップする原因はなんでしょう?一般的には徹底した経営戦略や市場分析、他社との関係、広告の効果…etc そんな小難しいデータと泥臭い戦略の結果なわけです。ぽっと出の企業が一人勝ちするというのは、例外中の例外ですよね。

それでも人は例外や特別を好む傾向があります。

つまり小難しい理屈よりも、思わず感心させられるストーリーのほうが話題性があるということです。

嘘もやらせも面白ければ関係ない

さて、あなたはマンガや小説を読むほうですか?私はどちらも大好きです。なんにせよ物語には人を引きつける魔力があります。天才的な主人公や魅力的な悪役、すべてフィクションと分かっていながらも、思わずその世界に入り込んでいるような錯覚を覚えます。

テレビ番組だって同じです。「やらせでしょ?」とわかっていながら見てしまいますよね。むしろ「やらせでも面白けりゃいいよ」と言わんばかりに。

それだけ、よくできたストーリーは人の注意を引きます。

そしてストーリーに聞き入った結果、前後の出来事には関係があると思い込んでしまいます。

(例1)魔王が現れた→翌日、姫が失踪した=魔王が姫をさらった

(例2)「わが社の人間関係は最高です」→3年で年商10億円
  =人間関係が売り上げアップの要因

(例3)芸能人のTwitterが炎上した→1週間後に離婚した
  =SNSトラブルが原因に違いない

王道と呼ばれるパターンや、想像を刺激するわかりやすさ、喜怒哀楽にうったえかける物語。これは劇薬のようなもので、どんな情報でも見境なく広めてしまいます。

以上がよくできた話やストーリーは、人の想像力を刺激してしまうというお話。

そしてあなたは幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし。

ネガティブが話題になりやすい理由

「糖質制限はハゲになりやすい」
最近、こんなコラムを読みました。ダイエットブログで糖質制限を推奨している私としては「そんなこと無いよ!データすら提示してないよ!」と言いたいのですが、なかなか難しいです。

なにしろ、何かを信じている人(パターンが出来上がった人)を説得することほど、不可能に近いことはないので。

さて、ここまで人が錯覚におちいりやす理由を考察してきました。実はまだ重要な説明が抜けています。それは口コミの力です。

ネガティブな口コミには真実味がある

例えばamazonや楽天で商品を買う時、レビューを参考にすることはありませんか?場合によっては商品の細かいスペックよりも「丁寧な梱包でスタッフの対応にも満足!★5です!」というどこの誰が書いたかも分からない一文で、数万円の商品を購入した経験もあると思います。

そして、なぜか注目してしまうのは★1や★2のレビューです。ネガティブな口コミには、商品をほめちぎった口コミよりもリアル感がありますね。

「ここだけの話、実はね…」2匹の会話が気になるの図

つまり「この商品は安全です」よりも「この商品は危険です!」のほうが、真実味がある気がするので、ネガティブな情報は信用されやすいわけです。

人はコンピューターのように判断できない

これがAIならデータに基づいた根拠ある決定を下すでしょう。商品の細かいスペックを比較し、論文を検索して安全性を確かめ、文章のはしばしにある矛盾を指摘する。つまり、メンドクサイ作業です。

なので「なんかそんな気がする」「経験上まちがいない」「よく言われてることだから、本当のことだろう」と勝手な想像を働かせるわけです。

つまりより信用できそうなパターンで、よりわかりやすい繋がりがあり、より刺激的なストーリーのある口コミを信じてしまう。

その結果ネガティブな情報が話題にあがりやすくなります。

さて、感のするどい方はこう考えるでしょう。「逆もあり得るんじゃ?」と。

4ページではポジティブな情報は話題になりづらいのか?を考えます。

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